『涙雨』すら降らなかったその日は
彼女の笑顔のように明るくて、爽やかな日だった、そうな。

「俺たちは、彼女の分も生きないとな」

ぽつり放たれた言葉に、ちくりと胸が痛む。
わかってる、純粋に、生を大切にしようって言いたいことは。
だけど、……私はそんなに強くないから
誰かの分まで自分の人生で背負ってしまえるほど強くないんだ。

だから、願う。
彼女のこれからを私が生きられなくても、
 私が彼女の笑顔を忘れませんように。
もう見られない笑顔だと嘆く前に、
 覚えていられることを幸せだと感じられますように。
もう誰の死に目にも会いたくないからと死を望む時は、
 ふたりぶんじゃなくていいから……

たったひとりぶん、自分の分くらい精一杯生きろって
 あなたの声が私を思い止まらせてくれますように。

私の存在は弱くて小さいけれど
あなたのではなく、私の未来を
私がきちんと歩いていけますように。

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